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ビタミンCの真実INDEX

ビタミンCの抗ガン作用

マウスを用いた抗ガン研究

Chenらは、マウス膵臓腫、ラットグリア芽腫、ヒト卵巣腫をマウスの皮下に移植し、4g/kg体重のビタミンCを12日間、1日1回腹腔内に投与しました 4) 。 Chenらは以前に、ラットにビタミンCを静脈注射することにより、経口投与に比べて有意に血液中および間質液のビタミンC濃度及びモノデヒドロアスコルビン酸ラジカル、過酸化水素量が増加することを報告しています 8)

12日間のビタミンC投与によりマウスのガン成長率およびガン重量はコントロール群に比べて41-53%も低い値を示しました 4) 。 また、コントロール群のグリア芽腫を移植したマウスに見られたガン転移は、ビタミンC投与群では全く見られませんでした。

グリア芽腫を移植したマウスの皮下および血中ビタミンC濃度は30 mMを超えていました。 ヒトでも100 gのビタミンCを静脈注射すると、血中ビタミンC濃度は30 mMにまで達します。 また、投与前にはガン細胞外の間質液および血液中で10 nM以下であったモノデヒドロアスコルビン酸ラジカルは、ビタミンC投与によりガン細胞外の間質液では500 nM以上にも増加していました。 さらに、過酸化水素は血液中では検出されずガン細胞外の間質液でのみ検出され、150 μMにまで増加していました。

血液中では赤血球内に存在するカタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼにより過酸化水素は速やかに分解されます4) , 8) , 9) 。 血液中でビタミンCが高濃度になると、ガン細胞外の間質液へも高濃度のビタミンCが移行します。 そこでビタミンCはFe3+など遷移金属によりモノデヒドロアスコルビン酸ラジカルに酸化されます(下図)。


【図の説明】 ビタミンC(C)は酸化されると1個の電子 (e-)を失いモノデヒドロアスコルビン酸ラジカルになる。この失われたe-がFe3+などの遷移金属を還元 (Fe3+→Fe2+)し、還元された金属が酸素への電子供与体として働く。 その結果、スーパーオキシドラジカル (O2・- )が生成する。O2・- は、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)により過酸化水素 (H2O2)となる。SODには局在の異なるCu,Zn-SOD (細胞質)、Mn-SOD (ミトコンドリア)、EC-SOD (細胞外)が存在する。 生じたH2O2は、血液中では血球細胞内や血漿中のカタラーゼ及び赤血球内に存在するグルタチオンペルオキシダーゼにより水と酸素に速やかに分解される 4) , 8) ,9)

血液中でCが高濃度になると、腫瘍細胞外の間質液へも高濃度のCが移行する。間質液中でCは酸化されて1個の電子を失い、最終的にH2O2 が生成する。H2O2 は細胞膜を容易に透過する 10)。 多くの腫瘍細胞はカタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼなどの量が少ない 11)ことから、H2O2 による障害を受けやすく、そのため細胞内でミトコンドリアが障害を受けてATP産生が減少し、細胞死が誘導されると考えられる8) , 12) , 13)

モノデヒドロアスコルビン酸ラジカルは酸素への電子供与体として働き、最終的に過酸化水素を生成します。カタラーゼなど抗酸化酵素の量が少ないガン細胞は、過酸化水素に対して障害を受けやすく、その結果として成長が遅くなったと考えられます 4)
これらの結果より、高容量ビタミンCの腹腔内投与は、膵臓腫、グリア芽腫、卵巣腫など治療法が未だほとんど確立されていない悪性度の高いガン細胞の成長を遅らせる効果のあることが in vivo (生体を用いた研究)の実験で確認されました。

また、今回の報告では高容量ビタミンC投与によりガンの縮小効果は認められていません。通常、抗ガン剤治療では数種類の抗ガン剤が組み合わせて用いられます 15) 。Chenらは最後に高容量ビタミンC投与と既存の抗ガン剤を組み合わせた複合投与療法の有用性を今後、確認する必要があると述べています。

 

ヒトでのビタミンCの抗ガン作用

 

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