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災害時におけるビタミンCの必要性

災害直後に配給される食事はおにぎりやパン、そして味噌汁などの汁物がほとんどです。副食として肉、魚、野菜などの調理品が配給されるのは大分、状態が落ち着いてからではないでしょうか。日本人の主食であるお米にはビタミンCはまったく含まれていません()。私たち日本人の主食はお米であり、災害時にもお米を優先して配給できるようにしています。

ビタミンCは水溶性のビタミンであるため、一度に多く摂取しても尿から直ぐに排泄され、からだの中で摂り溜めておくことはできません。そのため、毎日の食事から必要な分をこまめに摂取する必要があります。災害時におにぎりやパン、水のみしか食事として摂取できなかった場合、やがてビタミンC不足状態になります。約4週間で血漿中のビタミンCがほとんどゼロになることが報告されています1) 。しかし、からだの中でビタミンCが枯渇状態になったとしても、直ぐに症状は出ません。ビタミンC欠乏症状が出始めるのはおよそ3~4ヶ月後です。

災害時でも比較的入手しやすく、意外にもビタミンCを多く摂れる食品はじゃがいもです。じゃがいもには100 gあたり35 mgのビタミンCが含まれています。それほどビタミンCが多いわけではありませんが、効率的にビタミンCを摂れる非常によい食品のひとつです。なぜならば、じゃがいもは茹でるなど熱を加えても、じゃがいもの中に多く含まれているでんぷんがビタミンCを熱から保護して、ビタミンCの分解を防いでくれるからです。

食品からでなくともビタミンCは飲料から、比較的容易に摂取できます。ビタミンCを1本あたり1,000 mg含むC1000などの飲料は比較的、入手しやすく、摂取しやすいのではないでしょうか。どうしても食品からビタミンCを摂取できない場合には、ビタミンC飲料から摂取することをお薦めします。

災害時に不足するビタミンはビタミンCだけではありません。特に、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンCなどの水溶性ビタミンは、ビタミンA, D, E, Kなどの脂溶性ビタミンに比べて尿などからの排泄も早く、不足しがちです。多くの種類の水溶性ビタミンや脂溶性ビタミンを一度に手軽に摂取する方法はビタミン剤などのドリンクやサプリメントです。避難所での炊き出しの食事の際に、多種類のビタミンを含むドリンクを1本ずつ配布できれば、少なくともそのドリンクに含まれているビタミンが不足することはないと考えられます。サプリメントとは日々の食事で十分に摂取できない栄養素を手軽に補給することを目的として開発されていますので、震災時などの緊急時には有効であると考えられます。


文 献

  1. Pearson WN (1967) Blood and urinary vitamin levels as potential indices of body stores. The American journal of clinical nutrition20, 514-527

こめ[水稲穀粒]精白米の食品成分表(食品100 gあたり)
エネルギー(kcal) 356 レチノール当量(μg) 0
水分(g) 15.5 レチノール(μg) 0
たんぱく質(g) 6.1 カロテン(μg) 0
脂質(g) 0.9 ビタミンD(μg) 0
飽和脂肪酸(g) 0.29 ビタミンE(mg) 0.1
一価不飽和脂肪酸(g) 0.21 ビタミンK(μg) 0
多価不飽和脂肪酸(g) 0.31 ビタミンB1(mg) 0.08
コレステロール(mg) 0 ビタミンB2(mg) 0.02
炭水化物(g) 77.1 ビタミンB6(mg) 0.12
食物繊維(g) 0.5 ビタミンB12(μg) 0
水溶性食物繊維(g) Tr * ナイアシン(mg) 1.2
不溶性食物繊維(g) 0.5 葉酸(μg) 12
食塩相当量(g) 0 パントテン酸(mg) 0.66
廃棄率(%) 0 ビオチン(μg) 1.4
灰分 0.4 ビタミンC(mg) 0
  ナトリウム(mg) 1
カリウム(mg) 88
カルシウム(mg) 5
マグネシウム(mg) 23
リン(mg) 94
鉄(mg) 0.8
亜鉛(mg) 1.4
銅(mg) 0.22
マンガン(mg) 0.8

* Tr : 最小記載量の1/10以上含まれているが5/10未満である。

日本食品標準成分表2010より

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